なぜ腎臓病は治らない

腎臓病になる原因

血液が届かない細胞の萎縮

真の健康とは
人体には60兆個という膨大な数の細胞があります。個々の細胞は、私たちと同じように酸素と栄養を取って活動し、二酸化炭素と老廃物を排出する生命体です。細胞に食料を供給し排泄物を回収するのは血液です。

したがって、体が健康であれば、栄養豊富な血液を作り出し、それを丈夫な血管で体の隅々まで届け、60兆個すべての細胞を養うことが出来ます。このように全ての細胞が元気で活動しているときを真の健康と言えるでしょう。

生活習慣病は血流が滞るところから始まる
ところが、長い年月を生きてきますと、食事の好みや、姿勢の歪み、ストレスなど様々な要因によって、体の老化が進み、新鮮な血液や丈夫な血管が破損して細胞に酸素と栄養が届かなくなってきます。

この結果、体のあちこちで細胞の萎縮がはじまり、やがて細胞は死を迎えてしまいます。ただ、60兆個の細胞の1つが死んでも命に別状はありません。しかし、ある一定量が死滅すると、単なる不具合から病気へと発展していきます。

ところが、病気になっても自覚症状もなく生活に支障もなければ、病気はそのまま放置されてしまいます。ただし、血液の届かない状態を放置し続けますから、病気はどんどん進行し、気づいたときには取り返しのつかない不治の病になってしまっています。これが一般的に生活習慣病といわれる病気の辿るコースです。

腎臓病も同じコースを辿ります
腎臓病もこの過程を辿る病気です。様々な要因により、腎臓への血流が滞ることによって発症し、自覚症状のないまま長い時間を掛けて病気が進行し、やがては尿毒症によって破壊されて機能を失ってしまいます。死滅した腎臓は線維化されて梅干大になって体内に取り残されます。

病気に負けない自然治癒力を付けたい
生活習慣病のように、長い年月をかけ、血流が滞ってしまったことによって発症する病気は、一つの臓器だけが壊れて隣の臓器は元気、ということはありません。体全体の血流が滞ってきているのですからすべての臓器が弱ってきているはずです。

現在、日本における治療は、臓器別に専門化されており、極端に言えば他の臓器の治療は視野に入っていません。また、症状を抑制する治療に追われるばかりで、体全体を関連付けて発症原因そのものを治療する視点も欠けているのではないでしょうか。mennekiryoku病気改善には、病気を克服するだけの自然治癒力を付けることも大切です。

内臓トレーニングは、血流改善を行うことによって自然治癒力を高め、病気にならない体を創るための健康法です。

 

生活・食習慣による負担の増加

腎臓病は、幾つかの遺伝性のものを除いて、そのほとんどは生活習慣病といわれています。人間は、自分にとって便利で、快適で、負荷のかからない生き方を好みます。各自それぞれが自分のライフスタイルを持っています。しかし、皮肉にも大切にしてきた独自のライフスタイルが、病気発症の原因でもあるのです。

ennbunn(1)味の濃い食事を好む人は、塩分を取りすぎることになり、腎臓に大きな影響を与えます。腎臓は、塩分と水分を尿として排出する機能を持っています。しかし、塩分を取りすぎると、高血圧になりやすくなり、高血圧をそのまま放置すると腎臓の血管が動脈硬化を起し、腎硬化症となってしまいます。
また、動脈硬化になると腎臓に送られてくる血液量が不足するようになります。その結果、腎臓は血液量を増やそうとして、レニンというホルモンを分泌し、更に血圧を上げてしまいます。


kayoku(2)暴飲暴食を続けると、糖尿病や脂質異常症、心臓病などを発症するリスクがあります。中でも、糖尿病は長期間高血糖状態が続くため、血液・血管がボロボロになり、糖尿病性腎症を発症しがちです。

 

yasaigirai(3)野菜が嫌いで肉ばかり食べている人は、肉類に含まれるプリン体を蓄積し高尿酸血症になりがちです。尿酸値が高い状態を放置したままでいると、尿路結石や高尿酸血症、やがては痛風腎を発症します。

himan(4)暴飲暴食を繰り返し、運動不足の人は、肥満になりがちです。肥満を放置しておくと糖尿病を発症します。糖尿病が更に進行すると糖尿病性腎症に発展します。糖尿病性腎症は、透析に入る人の43%に達する恐ろしい病気です。

このほか、喫煙や飲酒、ストレスの溜まる生活は、血管を締め付け高血圧症となり、ひいては腎臓病を発生することに繋がります。このように、ちょっとした生活習慣の歪みはすべて腎臓病に繋がっていると言っても過言ではありません。日々の生活を改めてチェックして見ましょう。

 

 

体の歪み・腰痛

toutuu姿勢も腎臓病に関係します。私たちは、誰もが利き腕、利き足を持っており、左右のどちらかに重心をかけて行動しています。このため、長い年月生きていると必ず体に歪みが出てきます。

例えば、肩甲骨の可動域が狭くなったり、歩幅が小さくなったり、歩くときに足の小指側に重心を乗せて足首を使わずに歩いたりと様々な現象が出てきます。その結果、首筋や肩の凝り、腰痛や関節痛が発症します。

ところで、体内には総延長10万キロメートルの毛細血管が張り巡らされています。この毛細血管は筋肉の中にもあり、筋肉の動きに合わせて血液の循環を行っています。肩こりや腰痛で筋肉を固めてしまうと、毛細血管内の血流が滞ってしまいます。体の歪みは体全体の血流を滞らせることになり、腎臓にも大きな負担をかけることになってしまいます。

 

老化

rouka人間は年を重ねる度に老化が進みます。内臓も老化が始まり、腎臓もその例に漏れません。年齢と共に機能が低下していきます。

ただ、年の取り方が人それぞれ違うように、腎臓機能の衰え方もライフスタイル、食事の取り方などにより人それぞれ違ってきます。腎臓機能が衰えていても若いころは体力もあり、病気を自覚することもなく、その進行にも気付きません。そして、国民の8割は自覚症状もなく腎臓病にかかることもなく人生を全うします。

そんな中で、不幸にして腎臓病になってしまった人たちは、遺伝性の腎臓病を除くと、一般的に高齢になるほど腎臓の機能低下が顕著になり、人によっては足のむくみや高血圧、体がだるいとか、疲れやすいなどの症状が出てきます。更に老化が進むと透析に入るわけですが、透析に入る人の平均は男性で65歳、女性は69歳となっています。

 

再生しない臓器

topstate003腎臓は左右に2つあります。尿をろ過する機能をネフロンと言います。そのネフロンが、それぞれの腎臓の中に100万個ずつ、計200万個あります。200万個のネフロンは常時フル稼働をしているわけではなく、普段は6~10%程度が稼動していると言われています。このように、腎臓は十分余裕を持って作られている臓器です。

ですから、老化によって2つのうちの1つを失ったとしても、残りの1つで十分日常生活を送ることができます。また、例え、腎臓病になっても壊れる速度はおそく、長期にわたって機能し、そう簡単には潰れないように出来ています。このように見てくると腎臓ってなんと素晴らしい臓器なんだろうと、腎臓が可愛くなります。

しかし、腎臓は、肝臓のように再生しません。腎臓は、壊れにくい臓器であるとはいっても使い方次第で急激に悪化することもあります。腎臓病患者さんは、愛しい腎臓を大切に使う方法を身に付けて、自分自身で管理していきましょう。

 

自分で治す理由

薬を飲んで腎臓病は治りますか
kusuri腎臓病は不治の病といわれ、クレアチニンの数値は、「一度下がったら二度と回復することはできない」と、言われています。今の医療では腎臓病を治すことは出来ません。でも、腎臓病患者さんは、治療のためにお医者さんに行きます。お医者さんからは、むくみの薬、血圧の薬、尿酸を下げる薬などなど、たくさんの薬が処方されます。

○○を飲んでむくみが減りました。***を飲んで血圧が安定してきました。△△△を飲んだら尿酸値が基準値に入りました。で、腎臓病は治ったのでしょうか。

対症療法と原因療法
病気治療には2つの方法があります。1つは対症療法です。2つ目は原因療法といいます。疲れ、高血圧、尿酸値など腎臓病の症状を抑えるのが対症療法です。むくみが消え、血圧が安定し、尿酸値が安定しても、それらの症状原因を治していないから薬を一生飲み続けることになってしまいます。

それに対して、むくみも高血圧も尿酸値が高い状態もすべて1つの原因から発症しているはずと考え、病気の原因を追究し、その原因を取り除こうと言うのが原因療法とか根本療法と呼ばれるものです。

 

治療とは、透析に入れるまでの経過観察
改めて腎臓病治療に戻ってみましょう。「塩分に気をつけてください。様子を見ましょう」。初めて腎臓病と診断されたときのお医者さんの第一声です。その時、クレアチニン値が低ければ、「3ヵ月後においでください」となり、時間が経つにつれて受診期間が、2ヶ月になり、1ヶ月になり3週間毎になっていきます。この間お医者さんは何をしているかというと、病気の進行程度を見ており、いつ透析に入れるかを見計らっているのです。

腎臓病治療とは、患者自身が壊れかけた腎臓を大事に使っていくこと
現在の医療では、エコー検査などで腎臓機能が衰え、萎縮している様子を見ることはできます。そして、腎生検を通して、腎臓のどこが壊れて発症したかが分かるようになってきました。また、症状を抑える治療は大変発達してきました。しかし、腎臓病の発症原因を治すまでには至っていません。

keikakannsatuお医者さんの治療とは、病気の進行に伴う尿毒症の対症療法を行いながら、透析に入るまでの様子を観察し、透析に入れるタイミングを計ることです。腎臓は、一度壊れてしまうと再生は出来ません。幸いなことに、壊れ始めてから透析に至るまでには相当な年月があります。壊れ行く腎臓を、日々大切に使い、出来るだけ壊さないようにするのが、現在における腎臓病治療といえましょう。

もうお分かりでしょう。腎臓病治療とは、患者さん自身が壊れかけた腎臓を大事に使っていくことです。腎臓病は患者さんにしか治すことが出来ません。

内臓トレーニングで腎臓を生かす

内臓トレーニングでは血流を改善
自律神経を整えることを目的にした健康法です

内臓トレーニング
の方法

瀕死の腎臓を救うために必要なことだけど自分じゃできないこと

eGFRを測ってみよう!

年齢とクレアチニン値と性別を入力し、「診断する」ボタンをクリックしてください。

年齢
血清クレアチニン値 mg/dl
性別  

診断結果

GFR推算値
ml/min./1.73m2
GFR区分

あなたの腎臓はどんな姿をしているのでしょうか。

上記の写真は76歳の女性、クレアチニン0.71で、慢性腎臓病と診断される直前の姿です。
腎臓に繋がっている血管の太さが全然違います。血液は酸素と栄養を各細胞に送り、細胞が元気に働くようにしています。しかし、この写真の腎臓に繋がっている左側の細々とした血管では、血液が腎臓まで十分な量が届きません。そのため、細胞が働けず死んでいき、腎臓は萎縮していきます。

クレアチニン2.0未満の方へ

今の症状や悩んでいる事、小さなことでもお気軽にお電話ください0120-711-175
受付時間:9:00~12:00 / 13:00~17:30(土・日・祝を除く)

この記事の監修

静岡トレーニングクリニック院長 医学博士 廣岡 孝
静岡トレーニングクリニック院長
医学博士 廣岡 孝

平成22年4月〜 静岡トレーニングクリニック 院長
平成7年11月  ワシントン大学(セントルイス)医学部研究員
平成2年3月  名古屋大学 医学部 卒業

内臓トレーニングは、ふくらはぎの筋肉運動で血液とリンパの流れを良くし、自律神経のバランスを整え、自然治癒力をつける方法として医学の理にかなった健康法といえます。

所属学会
日本腎臓学会、日本透析医学会、日本東洋医学会、アメリカ内分泌学会他

内臓トレーニングは、特許を取得しています。

内臓トレーニングってなに?